貸金業者と契約した後に

借入金の弁済後のトラブルを防止するためには、弁済時においてもその都度、受取証書(領収書等)を受け取るなど契約締結時と同様に細かな注意が必要です。

1.弁済後のトラブルを防止しよう!

貸金業者に借入金を弁済した時は、その都度、受取証書(領収書等)を必ず受取り、大切に保存してください。

口座振込みで返済した場合は、振込明細書を保管しておきましょう。また、その場合には、必要に応じて、受取証書の交付を貸金業者に請求してください。(貸金業者は、借り手から請求を受けた場合には受取証書の交付の義務があります。)

借入を完済したときは、法律に基づき、借入時の金銭消費貸借契約書や借入証明書等の関係書類を速やかに返還してもらいましょう。なお、同一の貸金業者と複数の借入契約を締結していて、他の契約の借入が残っている場合でも、完済した契約分の関係書類等は速やかに返還してもらいましょう。

担保が設定されている場合は、解除手続を行いましょう。(契約締結時に、担保の解除手続、費用負担について明確にしておく必要があります。)

法令知識受取証書における記載事項

  • 貸金業者の商号、名称または氏名および住所
  • 契約年月日
  • 貸付けの金額(保証契約にあっては保証に係る貸付けの金額)
  • 受領金額およびその利息、賠償額の予定に基づく賠償金または元本への充当額
  • 受領年月日
  • 弁済を受けた旨を示す文字
  • 貸金業者の登録番号
  • 債務者の商号、名称または氏名(債務者以外の者が弁済をした場合は、その者の商号、名称または氏名)
  • 当該弁済後の残債務の額

記載が不足していた場合は、貸金業者に内容を確認してください。また、貸金業者が確認に応じなかった場合は、各登録行政庁や日本貸金業協会に相談してください。

法令知識貸付条件表

  • 貸付けの利率(実質年率の少なくとも小数点以下一位まで)
  • 返済の方式
  • 返済期間および返済回数
  • 貸金業務取扱主任者の氏名
  • 賠償額の予定(違約金を含む)に関する定めをする場合、その元本に対する割合
  • 担保を供する必要がある場合、担保に関する事項
  • 主な返済の例
  • 媒介手数料の計算方法(媒介手数料の割合を含む)

2.取り立て行為に困ったら

貸金業者が借金の取立てにあたって、借り手(債務者)を威迫(いはく)したり、原則として正当な理由がないのに、債務者等の私生活や業務の平穏を害するような言動をしたりすることは、禁止されています。

こうした行為があった場合は、各登録行政庁や日本貸金業協会に相談してください。

法令知識具体的に、法律違反に該当する行為

  • 正当な理由がなく、午後9時から午前8時までの社会通念上不適当と認められる時間帯に債務者等に電話をかけ、もしくはファクシミリ装置を用いて送信し、または債務者の居宅を訪問すること。
  • 正当な理由がなく、債務者等の勤務先その他の居宅以外の場所に電話、電報、ファクシミリ、訪問をすること。
  • 債務者等の居宅または勤務先その他の債務者等を訪問した場所において、債務者等から退去すべき旨の意思表示を示されたにもかかわらず、当該場所から退去しないこと。
  • はり紙、立看板その他何らの方法を問わず、債務者の借入れに関する事実等を債務者等以外の者に明らかにすること。
  • 債務者等に対して、債務者等以外の者からの金銭の借入れその他これに類する方法(たとえばクレジットカード使用等)により、貸付の契約に基づく債務の弁済資金を要求すること。
  • 債務者以外の者に対し、債務者等に代わって債務を弁済することを要求すること。
  • 債務者等以外の者が債務者等の居所または連絡先を知らせることその他の債権の取立てに協力することを拒否している場合において、さらに債権の取立てに協力することを要求すること。
  • 債務者等が貸付けの契約に基づく債権に係る債務の処理を弁護士等に委託し、またはその処理のために必要な裁判所における民事事件に関する手続をとり、弁護士等または裁判所から書面によりその旨の通知があった場合において、正当な理由がなく債務者等に対し、電話、電報、ファクシミリ、訪問する方法により、当該債務を弁済することを要求し、これに対し債務者等から直接要求しないようにもとめられたにもかかわらず、さらにこれらの方法で当該債務を弁済することを要求すること。
  • 債務者に対して、上記の言動を行うことを、家族や勤務先に告げること

3.もし、債権が第三者に譲渡されたら

貸金業者は、貸付けに係る契約に基づく債権を第三者に譲渡することができます。これを「債権譲渡」と言います。ただし、その場合、債権の譲受人にも貸金業法の規制が及びます。貸金業法では、当該譲受人が貸金業者であるか否かを問わず、下記の各規定が準用されます。

法令知識債権の譲受人に準用される規定

  • 生命保険契約の締結に係る制限
  • 保証契約についての事前書面交付義務
  • 生命保険契約に係る同意前の書面の交付
  • 契約締結時(債権譲渡時に読替え)の書面交付
  • 受取証書の交付
  • 帳簿の備付け
  • 帳簿の閲覧・謄写
  • 特定公正証書に係る制限
  • 公的給付に係る預金通帳等の保管等の制限
  • 取立て行為に関する規制
  • 債権証書の返還
  • 債権譲渡時における譲受人に対する所定の通知
  • 当局による報告徴収・立入検査

契約をしている貸金業者から債権譲渡通知書が送られてきたら、債権譲渡日や新たな弁済先、登記事項証明書などの内容を十分確認し、二重払いにならないようご注意ください。

なお、債権の譲受人から通知が届くことはありませんので、必ず契約した貸金業者に確認をしてください。

4.貸金業者が所有する帳簿の閲覧、謄写が必要な場合には

貸金業者は、営業所または事務所ごとに、その業務に関する帳簿を備え、貸付けの契約ごとに契約年月日や貸付金額などの一定の事項を記載し、最終の返済期日から少なくとも10年間保存することが、法律で義務づけられています。

債務者等である(であった)者は、貸金業者に対して、帳簿の閲覧または謄写を請求できます。

請求できる範囲 利害関係を有する部分
請求権者 債務者等または債務者等であった者
債務者の法定代理人や相続人、債務者に代わって弁済した者など

5.ADR制度(裁判外紛争解決制度)を利用する場合には

ADR制度(裁判外紛争解決制度)とは、顧客と金融機関の間のトラブルについて、金融分野に精通したあっせん人が中立・公正な立場で間に入り、裁判によらない方法での紛争解決を目指す仕組みです。

貸金業者との間でトラブルが生じて困った場合は、国が指定した紛争解決機関である日本貸金業協会貸金業相談・紛争解決センターをご利用下さい。

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