農業集落排水事業で生活環境を改善(東京都神津島村)

東京の南方海上169kmに位置する神津島は、面積18.87km2、周囲33.3kmの島です。集落は西側の神津沢沿いの1集落のみで、人口は20年3月現在約2,000人です。
神津島には、夏の海水浴などの観光客だけでなく、釣りや温泉を楽しみに1年間を通じて多くの人が訪れます。
しかし、民宿等の宿泊施設は、下水道が整備されていないため、汲み取りや浄化槽で処理しており、悪臭等が悩みの原因となっていました。
こうした状況を改善するため、神津島の集落がアシタバやレザーファンを栽培している農業振興地域を中心としていることから、農業集落排水事業(下記※参照)でトイレの水洗化・生活排水処理施設を整備し、生活環境の改善を図ることとしました。

神津島村位置図

神津島村位置図(神津島村ホームページより)

最大処理能力は、ピークとなる夏の観光シーズンを見込み、住民の3倍近くの受け入れが可能として、負荷変動に対応できる「膜分離活性汚泥方式(下記※参照)」という処理方法を採用しています。
平成8年4月に村が事業主体となり事業に着手し、平成16年4月に国庫補助対象事業の汚水処理場、排水管の敷設がすべて完了し、全面供用開始となりました。
現在は、住民負担となる個々の住宅と排水管の接続を進めています。

農業集落排水処理場

農業集落排水処理場

※農業集落排水事業とは

1.目的

農業集落排水事業は、農業用用排水の水質保全、農業用用排水施設の機能維持又は農村の生活環境の改善を図り、併せて公共用水域の水質保全に寄与するために農業集落における屎尿、生活雑排水、汚泥などを処理する施設の整備を行い、もって生産性の高い農業の実現と活力ある農村社会の形成に資することを目的としています。

2.事業の効果

  1. トイレの水洗化等生活環境の改善
  2. 農業用水を初めとする公共用水域の水質改善
  3. 処理水の再利用
  4. 発生汚泥の農地等への再利用
  5. 農業用用排水施設の機能維持

※膜分離活性汚泥方式とは

個液分液(混合液→活性汚泥+処理水)を、活性汚泥を含む混合液の入ったタンク内に浸漬した膜分離装置を利用して強制的に行うため、処理が安定しています。
神津島村のように負荷変動の大きい処理場でも安定した処理が可能です。
個液分離障害という問題が全く生じないため、対応タンク内の活性汚泥(微生物群)の濃度を濃くすることが可能となります。
このため、対応タンク容量を小さくすることができ、施設のコンパクト化が図れます。

お問い合わせ

農林水産部 農業振興課 基盤整備担当
電話:03-5000-7193(直通)

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