農業用水堰の魚道整備(多摩川水系)

小庄用水堰

小庄用水堰(平成13年4月撮影)

目的

東京の農業用水の取水堰は、多摩川に4箇所、秋川に6箇所が設置されています。都市化の影響で農地が減少し、それぞれの堰がまかなう水田は、10~40ヘクタール前後と少なくなってきました。しかし、水田は都市の貴重な田園空間としてこれからも保全していくことが大切です。そのため、農業用水の供給の源である河川環境の保全(水産資源、生態系)も利水者の責務であると考えられます。
多摩川水系の魚道整備は、国土交通省の「魚がのぼりやすい川づくり推進モデル事業」で多摩川・秋川をモデル河川に指定し、平成5年度に実施計画を策定しました。これを受け農業用水堰については、農林水産省の「魚を育む流れづくり推進対策事業」を活用し、平成9年度から順次整備を行っています。

魚道会議

既存の農業用水堰の適正な機能を維持しつつ、より機能性の高い魚道を整備するため、学識経験者、用水組合、漁業協同組合、行政機関などで構成する検討会議によって、よりよい魚道整備を目指しています。

魚道の形式(ハーフコーンタイプが主)

円錐を縦半分に切った躯体を階段式に並べた、プールタイプ・階段形式の一種。階段が斜めに傾斜した半円形断面で、傾きが2本ずつ交互に組み合わされています。
この形式の特徴は、
(1)小型魚も大型魚も水位変動に広く対応できる。
(2)土砂、玉石が堆積しない。
(3)人身事故の危険が少ない。
などで、勾配の急な土砂移動の激しい河川などに適しています。

魚を育む流れづくり推進対策事業による魚道整備状況

河川名名称整備年次(他事業)魚道形式実施機関
多摩川 大丸用水堰(詳細) 平成9年 ハーフコーン 東京都
四谷本宿ポンプ場 (平成17年) ハーフコーン 国土交通省
日野用水堰(詳細) 平成13年度 ハーフコーン 東京都
昭和用水堰(詳細) 平成11年 ハーフコーン 東京都
秋川 高月用水堰 平成9年 ブロック 東京都
小川久保用水堰 遡上可
南郷用水堰(詳細) 平成14年度 ハーフコーン 東京都
下代継用水堰 (平成7年度) アイスハーバー 東京都
引田用水堰 (平成7年度) アイスハーバー 東京都
小庄用水堰(詳細) 平成12年度 ハーフコーン 東京都

お問い合わせ

農林水産部 農業振興課 基盤整備担当
電話:03-5000-7193(直通)

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