海で楽しむ皆さんへ

東京の海は、内湾海域、伊豆諸島から小笠原諸島までの広大な海域で、漁業生産の場としてだけではなく、海洋性レクリエーションなど、憩いの場としても多く利用されています。
このページでは海洋性レクリエーションを「安全」に楽しんでいただくためのルールを記載しております。

はじめに

近年、余暇時間が増大し、遊漁船、プレジャーボートによる遊漁やサーフィン・水上バイクなどの海洋性レクリエーションを楽しむ機会が増えてきました。
東京の海は、内湾海域、伊豆諸島から小笠原諸島までの広大な海域で、漁業生産の場としてだけではなく、海洋性レクリエーションなど、憩いの場としても多く利用されています。
今後、海洋性レクリエーションの普及がさらに進めば、資源や自然の保護、海の利用に関して、さまざまなルールやマナーが必要となります。
このページは、遊漁を楽しむ皆さんに漁業への理解を深めていただき、漁業と遊漁が、お互い協調し調和を図りながら、安全に海洋性レクリエーションを楽しんでいただくためのルールなどをとりまとめたものです。
漁業者にとって海は、生産の場であり、かつ生活の基盤です。
また、遊漁者にとっても海は、自然に親しみ明日の活力を得る健全なレクリエーションの場です。
漁業者はもちろんのこと、遊漁者にとっても大切な海を、お互い仲良く利用していきたいものです。

海釣りを楽しむための安全とマナー

プレジャーボートによる釣りの場合

1.無理のない航海計画を立てましょう

  • 風が強いとき、波が高いとき、天候悪化が予想されるときは出航をとりやめましょう。
  • 視界がすぐれない条件(夜、霧の発生など)での出航はとりやめましょう。
  • 出航前には、最新の気象情報を収集しましょう。
  • 海図・水路図誌などを揃えましょう。
  • 行動予定海域の地形、海潮流、水深など自然条件について十分調べておきましょう。
気象通報(放送内容)

NHKラジオ第2放送 漁業気象通報 693KHZ 毎日
09:10~09:30 午前6時の情報
16:00~16:20 正午の情報
22:00~22:20 午後6時の情報

電話:東京地方177(地域の情報は「市外局番-177」)
船舶気象通報(海上保安庁テレホンサービス)
観測地点の風向、風速、天気、視程の情報が聞けます
東京湾・・・・・東京 03(3570)0177
(洲崎、観音崎、鶴見崎、第2海堡灯台、本牧船舶通信所、海ほたる、東京13号地)
島しょ・・・・・下田 0558(27)3177
(舞阪、御前崎、石廊崎、神子元島、伊豆大島、神津島)

  • プレジャーボートで海に出る際には、できるだけ2人以上のグループ行動を心がけてください
  • その日の予定については、家族やグループ、連絡責任者に知らせ、予定が変わる場合は必ず連絡してください。

2.点検整備を十分に

  • 出航前には、燃料やオイルの量、船体の状態などの点検を必ず行いましょう。

3.安全に航行するための備品(救命具,通信機器など)を備えましょう。

  • 救命具は必ず常備し、ライフジャケットは着用しましょう
  • 12歳未満の子供には、ライフジャケットを必ず着用させましょう。
  • 救命設備は、良好な状態を保ち、直ちに使用できるようにしておきましょう。

4.連絡体制を確保しましょう

  • 船舶電話、VHF、無線電話、アマチュア無線などによる連絡体制を確保しましょう。
  • 万が一の場合を考慮して、救助要請先(海上保安庁関係・海岸局、所属マリーナなど)のリストを忘れずに。

5.最大搭載人員を守ろう

  • 船舶検査証書に記載されている最大搭載人員数は必ず守りましょう。
  • 旅客定員と船員定員の区別は必ず守りましょう。

6.海の交通ルールをまもろう。

  • 自分の船の航行区域を守りましょう。
  • 暴走行為や酒酔い操縦はやめましょう。
  • ダイバーや遊泳者、漁業者が操業している場所の近くでは、人命に危険の恐れがあるので、周囲に気を配り、スピードを落として航行しましょう。

7.釣り場では安全が第一

  • 天候の変化に注意し、荒天が予想される場合は速やかに帰航しましょう。
  • 通行船舶の多い航路付近での釣りはやめましょう。
  • 自船の位置をしっかりと把握し、周囲の見張りを行いましょう。

8.漁業や環境に配慮した釣りを

  • 定置網や養殖場、及びその他の漁具などに近づかないようにしましょう
  • 操業中の漁船の邪魔をしないようにしましょう
  • 漁業関係法令による規制を守りましょう。
  • 地元の海面利用協議会や町村、漁協、遊漁船団体が定めているルールを守りましょう。
    ※海面利用協議会 ・・・ 漁業と海洋性レクリエーションとの海面利用調整を行うために設置されている協議会。漁業者代表、遊漁者代表、学識経験者で構成。
  • 小さな魚はできるだけ海へ帰しましょう。
  • 資源の保護のため、釣り過ぎには気をつけましょう。
  • きれいな海と豊かな漁場を守るため、ビニール、空き缶、残餌などのゴミは海に捨てずに持ち帰りましょう。

9.もし事故が発生したら

  • もし事故が発生したら、最寄りの海上保安署(118番)へ連絡しましょう。
  • 所属するマリーナに連絡しましょう。
  • 航行中の漁船や船舶、最寄りの漁業協同組合や救難所に救助をお願いし、一刻も早く身の安全を確保してください。

磯・岸壁釣りの場合

1.釣り場では安全が第一

  • 天候の変化に注意し、荒天や高波が予想される場合は速やかに撤収しましょう。
  • 満潮時に岩が水面下に没する恐れがある干出岩での磯釣りは、危険が伴いますのでやめましょう。

2.漁業や環境に配慮した釣りを

  • きれいな海と豊かな漁場を守るため、ビニール、空き缶、残餌などのゴミは海に捨てずに持ち帰りましょう。
  • 他の釣り客の迷惑になる行為は慎みましょう。
  • 漁業関係法令による規制を守りましょう。
  • 地元の海面利用協議会や町村、漁協、遊漁船団体が定めているルールを守りましょう。
  • 小さな魚はできるだけ海へ帰しましょう。

3.立入禁止の防波堤や護岸での釣りはやめましょう

  • 東京港は通行船舶が多いため、航路及び沖防波堤での釣りは危険が伴います。立入禁止の防波堤や護岸での釣りはやめましょう(条例で禁止されています)

漁業や環境に配慮した釣り

遊漁に関係するマナーとルール

遊漁、漁業を問わず、水産動植物の採捕に関しては、「漁業法」、「東京都漁業調整規則」等の諸法規による規制があります。
漁業者は、これらの法規を守って漁業を営んでいます。遊漁者のみなさんも次の事項を十分にご理解のうえ、快適な遊漁を行ってください。

1.漁業者以外の人(遊漁者)が行える漁具漁法は、次のものに限られています。
(東京都漁業調整規則第40条)

※「貝まき」とは、「じょれん」等を使用して貝類を採捕する漁法のこと。
※潮干狩りなどで、遊漁者が「じょれん」等を使用することは禁止されています。
※遊漁者のまき餌釣りは禁止されています。
※遊漁者のひき縄釣(トローリングを含む。)は、東京海区漁業調整委員会の指示により、禁止区域や禁止期間が設定されているほか、東京海区漁業調整委員会の承認を受けた釣り大会等のイベントに限り行うことができます。 → 詳細はこちら
※スキューバ等の潜水器や水中銃、集魚灯を使用して、魚や貝類・海藻類等を獲ることは禁止されています。

※「かに網」の使用は禁止されています。 → 詳細はこちら

2.漁業権

漁業権とは、海面の一定区域において、特定の漁業を営む権利で、地元漁業協同組合に免許されています。
伊豆諸島及び小笠原諸島の各島の沿岸には、下記のとおり漁業権が免許されていますので、漁業協同組合員以外の人は、漁業権対象となっているこれらの水産動植物はとらないでください。

漁業権の区域

地区区域漁業権の対象となる水産動植物
大島 距岸1,500m いせえび、とこぶし、てんぐさ、
さざえ、いわのり、あわび、
はばのり、くぼがい、とさかのり、
ばていら、なまこ
利島 距岸1,200m いせえび、とこぶし、てんぐさ、
さざえ、いわのり、あわび、
はばのり、くぼがい、とさかのり、
ばていら、なまこ
鵜渡根島 距岸1,000m いせえび、とこぶし、てんぐさ、
さざえ、いわのり、あわび、
はばのり、くぼがい、とさかのり、
ばていら、なまこ
新島、式根島、地内島 距岸2,000m いせえび、とこぶし、てんぐさ、
さざえ、いわのり、あわび、
はばのり、くぼがい、とさかのり、
ばていら、ひじき、なまこ
神津島、祇苗島、恩馳島 距岸2,000m いせえび、とこぶし、てんぐさ、
さざえ、いわのり、あわび、
はばのり、くぼがい、とさかのり、
ばていら、ひろせがい、ひろめ、
なまこ
銭洲 距岸2,000m いせえび、いわのり、とこぶし、
はばのり、てんぐさ、とさかのり、なまこ
三宅島、大野原島 距岸1,500m いせえび、とこぶし、てんぐさ、
さざえ、いわのり、あわび、
はばのり、くぼがい、とさかのり、
ばていら、ひろせがい、なまこ
御蔵島 距岸1,000m いせえび、とこぶし、てんぐさ、
さざえ、いわのり、はばのり、
くぼがい、とさかのり、ばていら、なまこ
八丈島、八丈小島 距岸1,200m いせえび、とこぶし、てんぐさ、
さざえ、いわのり、あわび、
はばのり、くぼがい、とさかのり、
ばていら、ひろせがい、うに、
かぎいばらのり、なまこ
青ヶ島 距岸1,000m いせえび、とこぶし、てんぐさ、
いわのり、はばのり、なまこ
聟島列島 距岸2,000m いせえび、ほらがい、しゃこがい、
たけのこがい、くもがい、すいじがい、
たからがい、しらひげうに、なまこ
嫁島 距岸2,000m いせえび、ほらがい、しゃこがい、
たけのこがい、くもがい、すいじがい、
たからがい、しらひげうに、なまこ
父島列島 距岸2,000m いせえび、ほらがい、しゃこがい、
たけのこがい、くもがい、すいじがい、
たからがい、しらひげうに、なまこ
母島列島 距岸2,000m いせえび、ほらがい、しゃこがい、
たけのこがい、くもがい、すいじがい、
たからがい、しらひげうに、なまこ

※上記のほか、火山列島(北硫黄島、硫黄島、南硫黄島)にも漁業権が設定されています。
※距岸○○m・・・各島の最大高潮時海岸線から○○m以内の海域を指します

3.海区漁業調整委員会指示

海区漁業調整委員会は、水産動植物の繁殖保護、漁場の使用に関する紛争の防止又は解決を図り、その他漁業調整のために必要があると認めたとき、関係者(遊漁者も含みます)に対し水産動植物の採捕に関する制限または禁止等必要な指示を出すことができます。

遊漁者に関係がある委員会指示

  • 伊豆諸島(大島~ソーフ岩、銭洲)の各最大高潮時海岸線から1,500m以内の海域において、いきえさ(餌虫類を除く)を使用してあかはた及びかさごを釣ることは禁止されています。
  • 東京湾横断道路「海ほたる」(下図)周辺海域での水産動植物の採捕及び遊漁の案内は禁止されています。

東京湾横断道路「海ほたる」周辺海域図

  • ひき縄釣(トローリング)に関する指示
    伊豆・小笠原諸島周辺海域における遊漁者のトローリングは、禁止区域、禁止期間などの制限があります。
    また、一定の条件を満たした釣り大会等のイベントに限り、海区漁業調整委員会の承認を受けて行うことができます。

4.とってはいけない期間のある水産動植物
(東京都漁業調整規則第34条)

水産動植物の繁殖保護を図るため、東京都漁業調整規則により、下記の水産動植物について、とってはいけない期間を定めています。

水産動植物とってはいけない期間
あさひがに 7月1日~31日
みつかどぱいぷうに 7月1日~8月31日

※なお、上の表以外で採捕してはいけない大きさを定めている水産動植物がありますが、漁業権魚種のため、遊漁者が採捕することは禁じられています。

5.とってはいけない大きさ
(東京都漁業調整規則第35条)

 水産動植物の繁殖保護を図るため、東京都漁業調整規則により、下記の水産動植物について、とってはいけない大きさを定めています。

水産動植物大きさ
たかべ 全長 10cm以下
ぶ り 全長 15cm以下
うなぎ 全長 24cm以下
あさり 殻長 2.5cm以下
はまぐり 殻長 4cm以下
みつかどぱいぷうに 殻長 6cm以下

※なお、上の表以外で採捕してはいけない大きさを定めている水産動植物がありますが、漁業権魚種のため、遊漁者が採捕することは禁じられています。

6.禁止区域

小笠原地先海面のうち、下図の海域内は、海中公園区域に指定されており、水生生物の採捕は禁止しています。

父島、兄島周辺

(父島、兄島周辺)

(母島周辺)

(母島周辺)

7.東京都漁業調整規則

 東京都の水面は、東京内湾及び伊豆諸島から小笠原諸島に至る海面と、多摩川・荒川水系を始めとする内水面に大きく分けることができます。海面と内水面では、漁業や遊漁等による水面の利用状況が大きく異なるため、東京都では、海面について東京都漁業調整規則、内水面については東京都内水面漁業調整規則を定め、円滑な水面の利用を図っています。

 なお、東京内湾の河口域における、東京都漁業調整規則と東京都内水面漁業調整規則の適用の境界は次のとおりです(リンクをクリックすると表若しくは図が開きます)。

1 東京内湾と河口の境界一覧表

2 東京内湾と各河川河口域の境界図

(1)一級河川:多摩川・隅田川・荒川・中川・旧江戸川(図1)

(2)その他中小河川:呑川(図2)

           内川(図3)

           目黒川(図4) 

           立会川(図5)

           古川(図6)

           亀島川(図7)

           江東区内部河川(図8)

           新左近川(図9)

8.地元ルール(ローカルルール)

島によっては、地元の海面利用協議会や町村、漁業協同組合や遊漁船団体が定めたローカルルールがあります。
きれいな海と豊かな漁場・磯辺の環境を守り、漁業者との相互理解を図るためにも、地元ルールを守って釣りを楽しんでいただくようご協力をお願いします。

主なローカルルール
地域
(クリックすると詳細がご覧になれます)
主な内容
磯辺クリーンアップルール
(伊豆諸島・小笠原)
  1. ゴミは海に捨てずに持ち帰る
  2. コマセの使用を控える
  3. お互いにマナーを守り楽しく海を
    利用する
三宅島自主ルール
(三宅島)
  1. ゴミは海に捨てずに持ち帰る
  2. コマセの使用を控える
  3. お互いにマナーを守り楽しく海を
    利用する
  4. イシダイ、イシガキダイは
    全長40cm以下はリリース
  5. イシダイ、イシガキダイの持ち帰りは、
    1人2尾まで
  6. 立入禁止区域での釣りは厳禁
青ヶ島自主ルール
(青ヶ島)
  1. イシダイ、イシガキダイは
    全長40cm以下はリリース

このほかにも、遊漁に関するローカルルールが設定されている島があります。
上記も含め、ローカルルールの詳細については、東京都水産課、各支庁、各町村水産担当までお問いあわせください。

9.近県の遊漁に関するルール

東京都と隣接する県にもそれぞれ遊漁のルールがあります。下記のホームページをご確認ください。
また、それ以外の道府県のルールは水産庁のホームページから見ることが出来ますので、そちらもご参照ください。

お問い合わせ

上記の内容について、ご質問があれば、次のところまでお問合せください。

東京都産業労働局農林水産部水産課 漁業調整担当
電話:03-5000-7208