平成17年12月 東京都雇用・就業対策審議会答申

~東京都におけるこれからの職業能力開発行政の基本的な方向及び講ずべき施策について~

昨年12月に、知事は東京都雇用・就業対策審議会(会長:佐藤博樹東京大学社会科学研究所教授)に「東京都におけるこれからの職業能力開発行政の基本的な方向及び講ずべき施策について」を諮問し、8月の「中間のまとめ」の発表やパブリックコメントを経て、本日、同審議会から答申がありました。審議会の答申を受け、第8次東京都職業能力開発計画を策定し、施策の具体化に向けた取組を進めていきます。

1 答申のポイント

(1)労働力に大きな影響を与える人口減少社会の到来

少子高齢化が進展する中で、団塊の世代の大量退職を迎えることにより、これまで経験のない労働力の質的・量的な不足が生じると想定。労働力の減少による影響を最小限に抑え、東京の産業の活力を維持・向上していくための的確な対応が求められる。

(2)職業能力開発行政の質的な転換が、不可欠。

多くの都民の就業を促進し、またその能力を最大限発揮するためには、これまで技術専門校における公共職業訓練が中心であった、従前の都の職業能力開発行政を見直し、都内に豊富に存在している教育訓練機会を活用しながら、社会全体の職業能力開発を推進する視点が必要と指摘。

(3)都が果たすべき2つの役割に改めて着目して、検討

都が果たすべき役割として、
(1)東京の人材力を総体として高めるための『推進役』としての役割
(2)教育訓練の実施主体のひとつである『プレーヤー』としての役割
があることに着目。

今後は、「しごとセンターの積極的な活用」や「地域拠点の整備」を行うなど、『推進役』としての機能を強化し、事業主や都民による職業能力開発を推進する社会を構築すべきとする一方、『プレーヤー』としては、行政が果たすべき役割を検証して、質の高い公共職業訓練を提供すべきと方向付け、技術専門校の改革を提言。

(4)職業能力開発行政の課題を、3つの観点から整理

  • 雇用就業の状況(雇用のミスマッチと就業困難者の存在)
  • 企業現場の状況(企業内の人材育成機能の低下傾向)
  • 職業能力開発行政の状況(公共訓練を取り巻く環境の変化への対応)

(5)施策の方向性と主な施策は、次のとおりです

雇用情勢への的確な対応

  • 若年者就業支援の推進
  • 子育て後の再就職支援
  • 団塊の世代の人材活用制度の構築
  • 高齢者訓練、障害者訓練の再構築

産業を支える人材の確保・育成

  • 地域拠点の整備と人材育成のネットワーク構築
  • 職業能力開発に関する支援機能の強化
  • 産業界提携型職業訓練の導入

効果的・効率的な行政運営

  • 民間との役割分担の明確化
  • 公民競い合いを通じた民間委託の活用(東京都版市場化テスト)
  • 技術専門校の組織再編・推進体制の構築
  • 技術専門校の授業料の一部有料化
  • 人材育成を効果的に進める「推進会議」の創設

2 今後の予定

答申を受けて「第8次職業能力開発計画(平成18年~22年度)」を、平成18年春に策定する予定です。
なお、提言の一部については、「行財政改革の新たな指針」(平成17年11月発表)や、「重要施策及び平成18年度重点事業」「平成18年度予算」に反映していきます。

お問い合わせ

産業労働局雇用就業部計画係
電話:03-5320-4707

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