トップページ > 東京の伝統工芸品とは

東京の伝統工芸品とは

東京の伝統工芸品は、長い年月を経て東京の風土と歴史の中で育まれ、時代を越えて受け継がれた伝統的な技術・技法により作られています。

伝統工芸品は、手作りの素朴な味わい、親しみやすさ、優れた機能性等が、大量生産される画一的な商品に比べて、私たちの生活に豊かさと潤いを与えてくれます。伝統工芸品は地域に根ざした地場産業として地域経済の発展に寄与するとともに、地域の文化を担う大きな役割を果たしてきています。

現在、40品目が東京都の伝統工芸品として指定されています。

江戸指物

1 東京都伝統工芸品指定制度

下記の要件を備える工芸品について、「東京都伝統工芸品産業振興協議会」の意見を聴いて、知事が東京都伝統工芸品に指定しています。

  • 製造工程の主要部分が手工業的であること
  • 伝統的な技術又は技法により製造されるものであること
  • 伝統的に使用されてきた原材料により製造されるものであること
  • 都内において一定の数の者がその製造を行っていること。

2 東京都の伝統マーク

東京都の伝統マークの画像

このマークは、「東京都指定伝統工芸品」について、都の紋章と伝統工芸の頭文字の「伝」をあしらったもので、検査に合格した製品に貼られています。

3 東京都伝統工芸士の認定制度

下記の要件を備える者のうちから、「東京都伝統工芸品産業振興協議会」の意見を聴いて、知事が東京都伝統工芸士に認定しています。

  • 東京都伝統工芸品の製造の実務経験が15年以上あり、現在もその製造に従事していること
  • 高度の伝統的技術・技法を有していること
  • 伝統工芸品産業振興事業の推進に協力しており、今後も協力できること。

4 伝統工芸分野の名誉都民

東京都では、社会文化の興隆に功績のあった方に対して、その功績をたたえ、都民敬愛の対象として「名誉都民」に顕彰しています。

下記の方が、伝統工芸の分野において名誉都民を受賞しています。

受賞年度  氏 名(敬称略) 略 歴
平成27年度 中根 喜三郎 江戸和竿師
平成22年度 安達 雅一 染色家(東京手描友禅)
平成21年度 加藤 一冑 甲冑師
平成18年度 西山 鴻月 押絵羽子板職人
平成17年度 岸本 忠雄 木彫刻師
平成16年度 篠原 儀治 風鈴職人
平成14年度 山下 八百子 染織家(黄八丈)
平成13年度 小宮 康孝 染織家(江戸小紋)

5 「地域団体商標」(特許庁)の登録を受けている東京の伝統工芸品

「地域団体商標制度」とは?

特許庁では、地域の名称及び商品(役務)の名称等からなる商標について、一定の範囲で周知となった場合には、事業協同組合等の団体による「地域団体商標」の登録を認めています。

この制度は、地域ブランドを適切に保護することにより、事業者の信用の維持を図り、産業競争力の強化と地域経済の活性化を支援することを目的としています。

「地域団体商標登録」を受けている東京の伝統工芸品

東京の伝統工芸品のうち、下記の13商標が地域団体商標登録を受けています。
商 標 権利者
江戸押絵羽子板 東京都雛人形工業協同組合
江戸衣裳着人形 東京都雛人形工業協同組合
江戸木目込人形 東京都雛人形工業協同組合
江戸木版画 東京伝統木版画工芸協同組合
江戸甲冑 東京都雛人形工業協同組合
江戸指物 江戸指物協同組合
江戸切子 江戸切子協同組合
江戸からかみ 江戸からかみ協同組合
東京銀器 東京金銀器工業協同組合
東京染小紋 東京都染色工業協同組合
江戸更紗 東京都染色工業協同組合
東京無地染 東京都染色工業協同組合
江戸小紋 東京都染色工業協同組合
東京手描友禅 東京都工芸染色協同組合

6 東京の伝統工芸品の生い立ち

どんな製品でも、その製品が生み出されるためには、「必要性」と「必然性」があり、伝統工芸品にも、それは当てはまるのではないでしょうか。

伝統工芸品の多くは、生活必需品として、生活に根ざしたもののなかから生まれてきました。例えば「くみひも」は、物を結ぶものとして糸や縄から発展したものであり、いろいろな「織物」も、身にまとうものとして作られたものであり、「刷毛」は、漆などを塗る道具として欠かせないものでした。こうした生活必需品からその機能性の向上とともに、「美」への欲求が、生活用品としての価値を高めていくことになりました。

7 東京の伝統工芸品の発展の歴史

東京の伝統工芸品はどのように発展してきたのでしょうか。

仏教伝来とともに、インド、中国などから多くの工芸品が、伝わってきたと言われています。その後、奈良時代から室町時代にかけて、日本の風土にあわせた改良が続けられ、この時代までにほとんどの工芸品が作られています。

江戸時代初期は、徳川幕府による幕藩体制の確立の時代であり、工芸技術の多くは、当時の先進地であった京都から移入されました。幕府では、職人政策を進め、名工と言われる人達を京都から招き、職人町を作るなどして、優れた職人の育成に努めました。

その後、元禄期から文化文政期までのおよそ百年間は、幕藩体制にひずみが生じ、改革を余儀なくされました。奢侈禁止令は、江戸町民の行動まで規制したものですが、反面、町人経済の勢力が強くなったことを示すものでもあります。経済の中心が武士から町人に移り、江戸が一大消費地として発展し、町人文化が栄えました。それは「粋」で代表されるように、「見えないところほど銭をかける」などと表現されています。この時期には贅にまかせたいろいろな工芸品が作られ、今日に多くの名品が残されています。

東京の伝統工芸品は、江戸三百年の歴史のなかで、とりわけ町人文化のなかで大きく育ってきたものであり、「江戸三百年の文化のなかで築きあげられたもの」ということができるでしょう。

時代が明治へと変わり、近代国家づくりが行われると、ヨーロッパ諸国から多くの技術が導入され、次第に洋風化が進展しました。こうした時代は、多くの伝統工芸品にとっては「転換期」ともいうべき時期でもありました。和服から洋服へ、手工業から機械工業へと変化していく中で、多くの工芸技術は、近代技術との競合の中で新たな活路を見出すことが求められてきました。

大正から昭和、平成と日本が近代化の道をたどる時代の中で、時に手仕事の良さが忘れられがちでしたが、このような風潮の中でも伝統工芸品の持つ良さは改めて認識されてきました。そして、今日では「新たな発展期」というべき時代を迎えています。

国の伝統的工芸品

 経済産業大臣が「伝統的工芸品」を指定しています。現在、全国で222品目が「伝統的工芸品」として指定されており、東京の伝統工芸品(計40品目)は、15品目(下記)が国の「伝統的工芸品」として指定されています。
東京の伝統工芸品のうち、国の「伝統的工芸品」に指定されている品目(15品目)
 
 村山大島紬、東京染小紋、本場黄八丈、江戸木目込人形、東京銀器、東京手描友禅、
 多摩織、江戸指物、江戸和竿、江戸節句人形(※)、江戸切子、江戸からかみ、江戸木版画、
 江戸硝子、江戸べっ甲
 ※都の伝統工芸品「江戸衣裳着人形」と「江戸甲冑」は、「江戸節句人形」の名称で国指定を受けました。

1 国の伝統的工芸品指定制度

 国の伝統的工芸品として指定されるためには、下記の指定条件を備えていることが必要とされます。
 
(1)主として日常生活の中で使われているものであること。
(2)主要部分がてづくりであること。
(3)伝統的な技術又は技法が守られていること。
(4)伝統的に使用されてきた天然の原材料が用いられていること。
(5)産地が形成されていること。

2 国の伝統マーク

国の伝統マークの画像
 このマークは、「経済産業大臣指定伝統的工芸品」について、伝統の「伝」と、日本の心をあらわす赤い丸(日の丸)を組み合わせたもので、検査に合格した製品に貼られています。
ページの先頭へ戻る