[2010年9月2日取材]
経営革新計画をもとに、内外の体制づくりを押し進める
【株式会社ノナカ】
- 経営革新を図りたい(経営革新計画)
- 港区
- 製造業(衣料・日用品)

木製ドア専門メーカーとして長い歴史を持つ株式会社ノナカ
現在は、主に玄関ドア、室内ドア、防火ドアの3種類の木製ドアを製造しています。ただし20〜30年前には玄関ドア全体の内、40%を占めていた木製ドアのシェアは、アルミ製ドアの普及を受けて、現在は1%弱と落ち込んでおり、厳しい状況が続いています。それでも、昨今は環境保全に対する気運の高まりを受け、エコ住宅などへの注目が集まり、木製ドアの将来性についても、これまで以上に期待が大きくなっています。
また、同社は防火ドアの分野においても、業界に先立って「20分耐火木製防火ドア」の認定を取得。その後も開発を続け、2009年には「20分耐火国産杉木製防火ドア」が大臣認定を取得しました。一般的な木製の防火ドアのほとんどが、構造内に耐火性にすぐれたセラミックなどを挟み込んで、純粋な木製ではないのに対し、ノナカの防火ドアは純粋な木製であることにこだわり、桐材を芯材として使った自然素材の構造を保っています。最近はホテルやビル、高級住宅向けの販売も増加しており、同社の売上に対する防火ドアの割合も増えてきています。さらに今回の経営革新計画をもとにした、間伐材を主材料をした高性能木製防火ドアの開発も行っており、販売開始に向けて準備が進められています。

昨今は環境保全の意識が広がり、木製ドアへの関心も高まっている
社内のみならず、現場の生産体制の見直しもはかっており、新しい体制づくりを進めている
木製ドアの素材は、米松から国産材へシフトさせていくという
| 企業名 | 株式会社ノナカ |
|---|---|
| 住所 | (本社所在地)東京都港区東麻布1-9-16 小早川ビル6F |
| 電話番号 | 03-3568-3001 |
| 資本金 | 75,000,000円 |
| 従業員数 | 12名 |
| 売上高 | 104,736,000円(平成21年度決算) |
| 代表者名 | 代表取締役 野中晃 |
| ホームページアドレス | http://www.nonaka.co.jp/ |
| 主要製品 | 1.木製玄関ドア 2.木製室内ドア 3.木製防火ドア |
15年ほど前から安価なアルミ製品にシェアを奪われて売上が減少していました。当社も厳しい状況が続き、お金はできる限り使わないようにして、製品開発もできずにいました。しかし、どうしても資金は必要になりますので、それならば自分のやってみたいことをやろうと思ったのです。
従来の商品はドアの素材として米松を使用しており、価格も高く、以前から他の素材が使えないか模索していました。実際に私もいろいろな現場に赴いて素材を探し、その中で国内産の間伐材(杉材)を見つけたのです。これを素材として利用してみることを考え、間伐材を主材料とした低価格な高性能木製防火ドアの開発を計画しました。
従来の商品はドアの素材として米松を使用しており、価格も高く、以前から他の素材が使えないか模索していました。実際に私もいろいろな現場に赴いて素材を探し、その中で国内産の間伐材(杉材)を見つけたのです。これを素材として利用してみることを考え、間伐材を主材料とした低価格な高性能木製防火ドアの開発を計画しました。

社長の野中晃氏。計画策定にあたっては、自分で数字を1つ1つ書きあげていった
実際に経営革新計画を策定するにあたり、これまで当社にはそうした申請の経験がありませんでしたので、経営支援課の担当の方と何度も資料のやり取りをしました。ガイドラインを提出して、それをもとに担当者からいろいろアドバイスして頂くという形で進め、その中でより具体的でまとまった数字を出していきました。次第に作業も細かくなって、苦労もしましたが、自分自身で説得力のある数字を1つ1つ書きあげた事で、確固たるものができあがったと思います。現在の状況は計画で想定していたよりも少し遅れていますが、事業戦略は今も変わっておらず、その時に考えたものがベースになっています。
【計画承認後の展開】
2006年2月に計画が承認されました。その結果、会社の知名度も上がり、実際に新規案件の話も増えました。木製ドアについてのお問い合わせもたくさん頂きました。しかし、当時は耐震強度偽装事件などの影響で建築不況が起こり、なかなか成果を出すことができませんでした。また防火ドアの分野でも激しい価格競争が起こり、当社も厳しい状況が続きました。それでも、最近は市場が落ち着いてきて、価格が適正なものに戻りはじめており、これから徐々に案件も増えてくるのではないかと期待しています。
また、今回承認を受けたことで、取引先からの信用度が高くなり、そのことが社員のモチベーションアップにも繋がったと思います。私自身も計画策定を経験したことで気付かされたことも多く、案件や開発については、まず数字にして考えてから判断するようになりました。これからは営業や生産現場にも、こうした考え方を浸透させたいと思っています。
間伐材を使用した防火ドアの開発については、国土交通省の認定は受けたもののまだ製品化には至っていません。販売を待たれている方も多いのですが、まだ品質の面でバラツキがあるので、もう少し開発が必要な状況です。当社は高級ドアメーカーとしてお客様から信頼して頂いておりますので、その課題をクリアしなければ製品として出すことはできません。それでも、2011年までには製品として売り出していきたいと思っています。いろいろ手ごたえは感じていますので、品質さえ安定すれば、ものすごく売れるという自信を持っています。
【課題点】
今回の計画で作成した数字を実現させるために、社内体制や生産体制を見直して、新しい体制づくりに取り組んでいます。これまでも生産体制の問題で、案件を受注しても人が足りなくて、納期が間に合わないということもありました。また、そうした状況の中で、いろいろ実践してきたことで、販売コストをどのように抑え、設定した原価を実現するためにどのような工夫が必要なのか、という課題も見えてきました。
さらに外部との体制づくりという面では、他社との連携が大切だと思っています。具体的には今まで仕入れの部分は個々のメーカーごとに対応していたのですが、現在は一つの問屋に全部まかせています。そこを一元化することで、納期や価格を一括管理する事ができますので、工場での管理も楽になってきます。また、生産面においても、各工場の強みを知ることで、役割を分けることができるようになります。中小企業の場合、資金力がありませんので、信頼関係をしっかりと築いた上で連携していくことが大切だと考えています。
まずは素材を米松から国産材へシフトしていきたいと考えています。現段階では、業界において、高級ドアの分野でしっかりとしたポジションを築きたいと思っています。奥沢や田園調布といった高級住宅街向けの案件もありますので、そこでしっかりとした仕事を行い、その上でさらに業界内でのポジションも確立したいと考えています。また、現在はエコ住宅なども浸透してきていますので、そうした流れも考えながら、新しい製品の開発を進めていきたいです。
今後はやはり社内・社外を含めた体制づくりがキーになってくると思っています。現在、この業界にも良い風が吹いてきていると感じていますが、それぞれで頑張っていくよりも、今は生き残ってきた企業同士が集まって、一緒に何かを考えていくほうが得策ではないでしょうか。そこからまた各企業が大きくなっていければいいと思います。
【経営革新計画の策定を考えている方へ】
今後の事業を発展させるために、まずはしっかりとした目的を持つことが大切です。そして計画策定の際には、社長自身が数字を入れることが重要だと思います。私自身がそうだったのですが、社長が計画を策定することで、数字で考えることができるようになり、様々な場面で決断が速くなりました。この数字を入れる部分については、ぜひ社長本人がやったほうが良いと思います。
今後はやはり社内・社外を含めた体制づくりがキーになってくると思っています。現在、この業界にも良い風が吹いてきていると感じていますが、それぞれで頑張っていくよりも、今は生き残ってきた企業同士が集まって、一緒に何かを考えていくほうが得策ではないでしょうか。そこからまた各企業が大きくなっていければいいと思います。
【経営革新計画の策定を考えている方へ】
今後の事業を発展させるために、まずはしっかりとした目的を持つことが大切です。そして計画策定の際には、社長自身が数字を入れることが重要だと思います。私自身がそうだったのですが、社長が計画を策定することで、数字で考えることができるようになり、様々な場面で決断が速くなりました。この数字を入れる部分については、ぜひ社長本人がやったほうが良いと思います。
東京都産業労働局商工部経営支援課 TEL:03-5320-4784
