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[2010年12月8日取材]
助成事業を効果的に活用しながら、ハイエンドな製品開発を実現
【株式会社タッチパネル研究所】

会社概要

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八王子にある株式会社タッチパネル研究所。タッチパネルの設計試作、製造販売、輸入販売などを手掛けている

 JR西八王子駅のほど近くにある株式会社タッチパネル研究所は、その社名の通り、タッチパネルの設計試作、製造販売、輸入販売などを行っている企業です。同社は、大手メーカーでPETフィルムをベースとしたITO膜(※)の開発を手掛けてきた三谷雄二氏により、タッチパネル開発に特化した企業として、1998年に設立されました。

 タッチパネルには抵抗膜方式、静電容量方式、超音波方式、光学式などがありますが、同社では設立当初より、最も普及が進んでいた抵抗膜方式のタッチパネルを取り扱っており、「抵抗膜式タッチパネルに関しては何でも」を社是として、高透過率、強化ガラス製、覗き見防止など様々な種類の製品を開発してきました。特に航空機用タッチパネルの開発を長年手掛けており、耐衝撃性や耐久性など様々な制約がある中、高い技術力を活かした同社の製品は、世界でトップシェアを占めてます。また、近年はスマートフォンやタブレットPCの急激な普及の影響を受けて、静電容量方式タッチパネルの取り扱いも開始しており、市場規模が大きくなる中で、より一層の成長が期待されています。

 その他、タッチパネル用の各種材料の開発及び販売を行う材料事業、タッチモニター及びタッチパネル付きLCDモジュールの設計試作、製造販売を行うモニター事業などを展開しており、品質を重視した付加価値の高い製品を提供することで、顧客からも高い支持を得ています。また、これまでの豊富な経験と実績から、海外での技術指導も多数行っており、今後もタッチパネル産業のリーディングカンパニーとして、業界の発展にさらに貢献していくことが期待されています。

(※)ITO膜
透明導電膜。酸化インジウムと酸化スズの無機化合物によってできた膜
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    同社副社長の板倉義雄氏。スマートフォンなどの普及を受けて、さらなる成長を見込んでいる
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    同社総務部長の堀節男氏
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    製造のみならず、タッチパネル製品及び材料の受託評価も行っている

企業情報

企業名 株式会社タッチパネル研究所
住所 東京都八王子市千人町2-3-17 高橋ビル
電話番号 042-666-6686
資本金 34,000,000円
従業員数 40名
売上高 12億円
代表者名 三谷 雄二(ミタニ ユウジ)
ホームページアドレス http://www.touchpanel.co.jp/
主要製品 タッチパネル、タッチパネル用材料、タッチパネル付モニター及びモジュール

支援施策を利用した狙い

 2007年頃、当社ではお客様からの要望もあり、航空機用の難燃性タッチパネルを新規で開発していこうと考えていました。見積もりを行ったところ、およそ2000万円の開発資金が必要だということが分かったのですが、予算的にどうしても1000万円不足していたため、補助金が活用できないか探すことにしたのです。

 「新製品・新技術開発助成事業」については、インターネットで情報を見つけたのがきっかけです。その後、実際に東京都中小企業振興公社に話を聞きに行き、応募することを決めました。実は、採択が決まっていない応募段階から投資を始めていて、審査も通るだろうと見込んで開発にも着手していました。

支援活用の効果

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今回の助成事業を活用して開発された、耐燃焼・耐環境性能を備えた「航空機搭載用新規タッチパネル」

 今回の審査については、書類作成などでは特に苦労しなかったのですが、技術審査があり、専門家の方から技術的な部分で突っ込んだ内容の質問を受けるなど、ハードルは非常に高かったと思います。最終的には無事に審査を通過することができ、助成を受けて航空機搭載用新規タッチパネルの開発を行いました。

 開発を進めるに当たって、航空機業界というのは品質に非常にシビアで、難燃焼や耐久信頼性など、通常の規格の他に航空法に沿ったルールがあり、それをクリアしなければいけません。一般的には、量産段階においては試作品とは多少違った材料を使用してもいいのですが、航空業界のタッチパネルは試作と量産のやり方を変えてはいけないという規約があります。タッチパネル自体を作ることは問題ないのですが、規約に沿って量産を前提として試作品を開発しなければいけませんので、そこは苦労しました。

 結果的には、約1年半かかりましたが、助成金対象の試作品を完成するという目標を達成することができました。完成したタッチパネルは、強化ガラスを使っての飛散防止のほか、隣からの覗き見防止などの機能があります。通常、こういうLCD(液晶ディスプレイ)というのは視野角を拡大するのですが、航空機に座る場合は隣から見ることができないようにするため、視野角の狭い材料を使っています。また、今回は燃えないタッチパネルを作って欲しいとの要望を受けていましたので、難燃性の材料も独自に製作しています。

 開発費用としては約1700万ほどかかったのですが、その半分の費用を助成して頂きました。自己資金のみだと予算的にもハードルが高くなってしまいますが、助成金が付くことによって思い切った開発を行うことができ、ここで他社との差をつけることができるのだと思います。また、資金面だけでなく、厳しい審査を通過して助成金を頂けたということは、開発に携わっている社員のモチベーション・アップにもつながったと思っています。ただ、試作品完成後にセットメーカーへ価格提案まで行いましたが、原価の問題もあり、難燃性のタッチパネルとして採用されるまでには至っていません。品質・性能は高い製品なので、将来的に安全性などの基準が高くなれば、採用される可能性は十分にあると思っています。

今後の展望

 まず、タッチパネルに関しては、抵抗膜方式、静電容量方式の2種類で、新規開発を重点的に行っていきたいと考えています。モニター事業についても、新規技術を開発して、他社とは違った展開ができるように取り組んでいきたいです。実際、これらの目標に向けて、今年11月に新しい社員を採用していますので、実現に向けて開発を進めていきたいと思います。

【新製品・新技術開発助成事業の活用を考えている方へ】
 助成金の申請や審査に取り組むことで、技術面でも非常にプラスになると思います。開発についても、限られた期間でスケジュールを組まなければなりませんので、技術面でもしっかり目標を立てて、取り組まなければなりません。当社でも、開発を担当した社員のスキルがもの凄く上がりました。そうした点も非常に良かったと思います。

お問い合わせ

東京都産業労働局商工部創業支援課 TEL:03-5320-4694