労働情勢(2015年10月31日現在)

東京都では、労働・経済情勢や労使の動向を調査把握しています。最近の情勢をまとめましたので、掲載いたします。

1 労働情勢

9月完全失業率は3.4%、前月と同率-総務省労働力調査速報ほか

総務省統計局は10月30日、「労働力調査(速報)平成27年9月結果」を発表した。9月の完全失業率(季節調整値)は3.4%で前月と同率であった。就業者数は6,439万人で、前年同月に比べ37万人増加した。うち、非正規の職員・従業員は1,986万人であり、前年同月比で16万人増加した。完全失業者数は227万人で、前年同月に比べ6万人の減少となった。また、厚生労働省が同日発表した「一般職業紹介状況(9月分)」によると、9月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月に比べて0.01ポイント上昇し、1.24倍(正社員0.77倍)、都内の有効求人倍率は前月に比べて0.01ポイント上昇し、1.83倍であった。

現金給与総額は前年同月比0.5%増、実質賃金は0.2%増-厚生労働省毎月勤労統計調査

厚生労働省は10月5日、「毎月勤労統計調査(8月速報)」を発表した。従業員5人以上の事業所結果(速報)によると、現金給与総額は、前年同月比0.5%増の272,382円、きまって支給する給与は0.6%増の258,804円となった。実質賃金は、0.2%増となり、2か月連続してプラスとなった。また、総実労働時間は、前年同月比0.5%増の141.8時間、所定外労働時間は、前年同月比0.8%減の10.4時間となった。常用雇用は前年同月比1.8%増の47,941千人となった。

「平成27年版労働経済の分析」を公表~分析テーマは「労働生産性と雇用・労働問題への対応」

厚生労働省は、9月15日、「平成27年版労働経済の分析」(通称「労働経済白書」)を公表した。平成27年版の分析テーマは、「労働生産性と雇用・労働問題への対応」であり、主なポイントとして、「労働生産性の向上のためにはIT投資と人的資本投資などを効果的に組み合わせて成長力を高める取組が重要。」「長時間労働を削減し、より効率的な働き方を実現することは労働生産性の向上につながり、意義がある。」「人口減少下の我が国の経済成長には、人材の集積による地域の労働生産性の向上を図ることや、長時間労働の削減といった環境整備を図ることで子育て世代の女性などの就労促進を図ることが必要。」といった内容が挙げられている。

労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律(改正労働者派遣法)の成立

改正労働者派遣法が、9月11日に成立し、9月30日から施行された。主な改正内容は、「労働者派遣の期間制限の見直し」「派遣労働者の雇用安定措置」「キャリアアップ措置(派遣労働者の段階的・体系的な教育訓練等を派遣元に義務づけ)」「労働者派遣事業の許可制への一本化」等である。このうち、「労働者派遣の期間制限の見直し」では、いわゆる「26業務」がなくなり、「派遣先事業所単位の期間制限(同一の事業所に派遣できる期間は原則3年が限度。ただし、派遣先の過半数労働組合等からの意見を聴くことで3年を超えることが可能。)」「派遣労働者個人の期間制限(同一の派遣労働者を派遣先の同一の組織単位に派遣できる期間は3年が限度)」の2つの期間制限が適用される(無期雇用等を除く)。

改正労働者派遣法の施行に伴う関係政令の整備・経過措置に関する政令案要綱等の諮問及び答申

厚生労働大臣は、9月18日、労働政策審議会に対し、改正労働者派遣法の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令案要綱等について諮問を行い、同日、同審議会から「概ね妥当と認める」との答申が行われた。なお、労働者委員からは、「法律の施行準備期間がきわめて短いため、現に従事する派遣労働者の保護に書けることのないようにすべき、下位法令に係る審議時間と周知期間を十分確保できたとは到底言えない、国会附帯決議を尊重して行政により措置や検討等が誠実かつ確実に講じられなければならない」との意見が付された。

青少年の雇用の促進等に関する法律(若者雇用促進法)などが10月から順次施行

青少年の雇用の促進などを図り、能力を有効に発揮できる環境を整備するため、青少年に対して、適切な職業選択の支援に関する措置や、職業能力の開発・向上に関する措置などを総合的に行えるよう整備した「青少年の雇用の促進等に関する法律」(若者雇用促進法)等が、平成27年10月1日から順次施行されている。適職選択のための取組促進としては、「事業主による職場情報の提供の義務化(応募者等から求めがあった場合、3類型ごとに1つ以上の情報提供を義務づける等)(平成28年3月1日施行)」、「労働関係法令違反の事業主に対する、ハローワークの新卒者向け求人の不受理(平成28年3月1日施行)」、「優良な中小企業の認定制度の創設(平成27年10月1日施行)」が定められた。

「青少年の雇用の促進等に関する法律施行規則案要綱」等の労働政策審議会に対する諮問及び答申

厚生労働大臣はが9月18日に労働政策審議会に諮問していた「青少年の雇用の促進等に関する法律施行規則案要綱」等について、9月25日、同審議会から「妥当と認める」との答申が行われた。この中で、法にもとづく認定事業主の認定基準については、「新規学卒者又は若者であることを条件とした求人・募集を行っていること」「雇用管理の状況が一定水準を満たしていること」「平均勤続年数等の職場情報を公表していること」「新規学校卒業者の内定取消し、事業主都合による解雇等を行っていないこと」が定められている。

過重労働解消キャンペーンを11月に実施

厚生労働省は、9月16日、「過重労働解消キャンペーン」を11月に実施すると発表した。今年6月に閣議決定された「日本再興戦略改訂2015」には、引き続き「働き過ぎ防止の取組強化」が盛り込まれ、また、7月には「過労死等の防止のための対策に関する大綱」が閣議決定されるなど、長時間労働対策の強化が喫緊の課題となっていることから、キャンペーンでは、使用者団体や労働組合に対する協力要請、重点監督、電話相談等を実施し、長時間労働削減に向けた取組を推進していくとしている。

高校生の求人倍率は1.54倍、求人数は前年比19.9%増~平成27年度「高校・中学新卒者の求人・求職状況」

厚生労働省は、9月18日、平成28年3月に高校や中学を卒業する生徒について、平成27年7月末現在の求人・求職状況を取りまとめた。対象は、学校や公共職業安定所からの職業紹介を希望した生徒である。それによると、高校新卒者の求人倍率は1.54倍で、前年同期比0.26ポイントの増となった。また、求人数は、約28万6千人で、前年同期比19.9%の増となっている。

採用予定のある事業所の割合が増加~来春卒業予定大学生等への中堅中小企業の求人見込み

厚生労働省は、9月18日、来春卒業予定の大学生などに対する求人見込みについて平成27年6月1日から7月31日までの間、調査を行った結果を公表した(調査事業所数31,592事業所)。結果によると、「来春卒業予定の大学生等の採用予定がある」と回答した事業所は全体の45.9%(前年度40.0%)となっており、そのうち、「昨年より多くの人数を採用する予定」と回答した事業所は47.1%(前年度45.5%)となっている。昨年に引き続き、両項目とも割合が増加している。

対象とした2,362事業場の約6割(1,479事業場)で違法な時間外労働

厚生労働省は、9月29日、長時間労働が疑われる事業場に対する労働基準監督署による監督指導の実施結果を公表した。これは、長時間労働削減推進本部の指示の下、今年1月から労働基準監督署が実施しているもので、1か月当たり100時間を超える残業が行われたとされる事業場や、長時間労働による過労死などに関する労災請求があったすべての事業場を対象としている。結果によると、4月~6月に監督指導を行った2,362事業場のうち、約63%に当たる1,479事業場で違法な時間外労働が確認された。同省では、引き続き、長時間労働の削減に向けた積極的な対応を行っていくとしている。

2,977事業場(76.0%)が労働基準法令違反~外国人技能実習生の実習実施機関に対する平成26年の監督指導、送検の状況~

厚生労働省は、9月30日、全国の労働局や労働基準監督署などの労働基準監督機関が、平成26年に技能実習生の実習実施機関に対して行った監督指導や送検の状況について公表した。それによると、労働基準関係法令違反が認められた実習実施機関は、監督指導を実施した3,918事業場(実習実施機関)のうち2,977事業場(76.0%)であった。主な違反内容は、「違法な時間外労働など労働時間関係(25.8%)」、「安全措置が講じられていない機械を使用させていたなどの安全基準関係(23.5%)」等であった。また、重大・悪質な労働基準関係法令違反により送検したのは26件であった。

民間主要企業夏季一時金妥結状況~厚生労働省

厚生労働省は、9月18日、民間主要企業の夏季一時金妥結状況を公表した。集計対象は、資本金10億円以上かつ従業員1,000人以上の労働組合のある企業のうち、妥結額を把握できた375社である。結果によると、平均妥結額は832,292円で、前年に比べ31,639円(3.95%)の増となり、対前年比は3年連続のプラス、7年ぶりの高水準となった。平均要求額は、把握できた284社でみると887,490円で、前年に比べ33,930円の増となっている。

労働者派遣法改正法案の参議院厚生労働委員会可決に関する談話(連合)

連合は、労働者派遣法改正法案が参議院厚生労働委員会において可決されたことに対し、「同法案は派遣労働者が抱える雇用の不安定さと低処遇を改善するものではなく、民主党をはじめとする野党議員が法案の様々な欠陥を追及している中で、質疑が打ち切られ採決が行われたことは極めて遺憾である」との談話を発表した。「過半数組合等が反対しても派遣の継続が可能であり、「派遣は臨時的・一時的就労」の原則に全く反しており、均等処遇はおろか均衡処遇すら実効性のある措置が事業者に義務付けられていないなど、企業のための規制緩和であり、労働者保護が乏しい欠陥法案である」としている。

労働者派遣法大改悪法案の採決強行に強く抗議する談話(全労連)

全労連は、9月8日、参議院厚生労働委員会が労働者派遣法改正法案を可決したことに対し、「派遣労働者の多くも反対する雇用破壊の大改悪であり、全労連は強く抗議する」との談話を発表した。「第一に指摘すべきは、参院段階の審議を通じて、同法案が直接雇用の大原則を侵し、低賃金・使い捨ての労働者派遣を一般的な働き方に変え、派遣労働者を急増させる雇用破壊法案だということがいっそう鮮明になったことである。」「第二に指摘すべきは、運動のなかで実現した「労働契約申込みみなし制度」の10月1日発動を阻止し、違法企業を免罪しようという与党の黒いねらいもまた鮮明になったことである。」としている。

2 主要労働統計

※( )内は前月

労働力状態<全国・9月>

資料出所:総務省統計局「労働力調査報告」

労働力人口 6,665万人(6,603万人)
就業者数 6,439万人(6,379万人)
前年同月比37万人の増加。
完全失業者数 227万人(225万人)
前年同月比6万人の減少。
完全失業率【季節調整値】 3.4%(3.4%)

労働市場<東京都・9月>

資料出所:東京労働局「職業安定業務統計」

月間有効求職者数 140,205人(143,390人)
月間有効求人者数 211,897人(211,695人)
有効求人倍率【季節調整値】 1.83倍(1.82倍)
<全国:1.24倍(1.23倍)>

*「求職・求人者数」は新規学卒及びパートを除く。「求人倍率」は新規学卒除く、パート含む。

一般労働者月間賃金・労働時間<東京都・8月・規模5人以上>

資料出所:東京都総務局「毎月勤労統計調査」

現金給与総額 337,606円(459,870円)
定期給与 325,134円(328,268円)
特別給与 12,472円(131,602円)
総実労働時間数 141.9時間(153.9時間)
所定内労働時間数 130.6時間(141.4時間)
所定外労働時間数 11.3時間(12.5時間)

倒産状況<東京都・9月>

資料出所:東京商工リサーチ

件数 119件(130件)
<全国:673件(632件)>
負債総額 189,198百万円(22,123百万円)<全国:270,898百万円(97,896百万円)>

倒産件数は、119件(前年同月比27.9%減)と、2か月連続で前年同月を下回った。負債総額は、1,891億9,800万円(前年同月比681.5%増)と前年同月を大きく上回った。負債額10億円以上の倒産は4件(前年同月5件)となった。業種別件数では、卸売業(22件)、サービス業(21件)、情報通信業(17件)の順となった。原因別では、不況型倒産(販売不振・既往のしわ寄せ・売掛金等回収難)は105件となり、倒産件数における構成比は88.2%となった。倒産企業総従業員数は580人となり、前年同月の961人と比べ39.6%減となった。

お問い合わせ

雇用就業部労働環境課労働係
電話:03-5320-4647

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