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平成24年4月1日更新

東京都産業振興基本戦略(2011-2020)の策定について

 東京都は、都政運営の新たな長期ビジョンである「2020年の東京」が示す都市像の実現を産業振興の面から推進するため、平成24年3月、現行の東京都産業振興基本戦略(平成19年3月)を改定し、東京都における平成32(2020)年度までの産業振興の基本的な考え方と施策の方向についてとりまとめました。
 ここでは、戦略の主な内容をご紹介します。

◆本戦略における今後の施策展開の基本的考え方
 グローバル化の進展や人口減少・高齢化などの変化によって生じる脅威を克服するとともに、こうした変化を産業の成長機会と捉え、東京の強みを活かし、中長期視点に立った施策を展開する。

改定のポイント
@重点産業の育成と中小企業の参入促進
 ・産業構造の変化や少子高齢化などの社会構造の変化に対応し、今後の成長とイノベーションが期待される産業分野を重点的に育成
 ・イノベーションの苗床である中小企業の活力向上(新技術・新事業創出、重点産業への参入促進) など


Aグローバル市場へのアプローチ
 ・新興国の成長の取り込み等のための施策の構築(海外販路開拓支援、都内での研究開発支援による製品・サービスの高付加価値化・国際競争力の強化)
 ・成長著しいアジアをはじめ諸外国に対し、外国人旅行者の誘致を推進 など


B産業集積の維持・発展
 ・ものづくり産業を中心に立地環境整備等による産業集積を維持
 ・産業集積の発展に向けた集積内の創業の促進 など

新たな成長に向けた5つの戦略

戦略1 新しい成長機会を取り込む【成長機会】

 我が国は、本格的な人口減少社会の到来やグローバル化の一層の進展など、大きな構造変化に直面しています。また、デフレの長期化や歴史的円高などの影響を受け、厳しい経済情勢が続くとともに、成長著しい新興国の台頭もあいまって、国際的地位の相対的な低下が懸念されています。
 今後、国際競争の一層の激化が見込まれる中で、日本経済の牽引役となっている首都東京の産業が将来にわたって発展するためには、国内外の新しい成長機会を積極的に取り込んでいくことが重要です。
 東京の強みであり、今後成長が期待される産業分野を重点的かつ戦略的に育成し、これらの産業への中小企業の新規参入を促進するとともに、中小企業の海外販路開拓を支援するなど、都内産業の振興を図っていきます。

 例えば、このような重点的取組があります

○重点産業を戦略的に育成し、中小企業の参入を促進する
(社会的課題解決型産業[健康、環境・エネルギー、危機管理など]、情報発信型産業[コンテンツ、ファッションなど]、都市機能活用型産業[航空機、ロボットなど])

○グローバル市場に対応した事業展開を促進する
(海外販路開拓支援、海外からの集客促進など)



戦略2 経営基盤を強化する【経営基盤】

 都内企業の99%を占める中小企業は、経済の活力の源であるとともに、雇用の場を創出しています。さらに、イノベーションの苗床として、今後の産業発展の原動力となっています。一方で、経済変動の影響を受けやすく、時には厳しい競争条件におかれる存在でもあります。
 東京には、長年培ってきた独自の技術やノウハウを持つ企業や農林水産事業者が存在します。 これらの中小企業等の多くは、近年のリーマンショックや円高などにおいても、これまで蓄積してきた経営・技術革新のノウハウを活用するとともに、新たな経営革新によって困難な状況を乗り越えてきています。 こうした多様な中小企業等が、今後も東京で様々な活動を行うことが、東京の産業の発展には不可欠です。
 国際競争の激化、歴史的な円高、人口減少・高齢化の一層の進展に伴う国内市場の縮小、東日本大震災及び原子力災害の影響など、中小企業を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続くものと予想されますが、これまで蓄積してきた経営・技術革新のノウハウを活かしつつ、新たな取組によって困難を乗り越えていくことが重要です。

 都は、新たな経営に乗り出す中小企業等の経営基盤の強化に向けて、様々な施策により積極的に支援していきます。

 例えば、このような重点的取組があります

○新製品・新サービス・新技術を創出する
(オープン・イノベーション、知的財産、デザインの活用など)
○経営力の向上を図る
(経営革新ノウハウの普及、経営革新計画、グループ化支援、支援機関の連携など)
○経営体質を強化し、様々な環境の激変に対応する
(円高・電力供給制約への対応、事業者の防災対策など)
○経営の安定を図り、セーフティネットを整備する
(事業再生・事業承継、経営安定支援、資金調達の円滑化など)



戦略3 産業の集積を維持、発展させる【産業集積】

 我が国が直面している歴史的な円高は、国内での事業コストを相対的に高め、製造業を中心とした企業の収益を圧迫しています。こうした状況下で懸念される無秩序な産業の空洞化の進行は、東京の産業の将来に大きな影響を与える恐れがあり、総合的に対策を講じてこれを阻止しなければなりません。
 都市の発展とともに培われた東京の産業の集積は、新しい産業やビジネス創出の苗床です。産業集積の役割を将来も発揮させていくため、都内の多様な集積を維持・発展させるために必要な環境整備を行います。同時に、それらの集積がもたらすメリットを最大限に活かすため、 経済活動を担う様々な主体によるネットワークづくりを強化します。他方で、集積を維持・発展させていくためには、新たなプレーヤーを生み出す創業を促進していくことも重要です。
 また、都内の経済、産業、雇用などにメリットをもたらす対内直接投資を増加させることも、集積を維持・発展させるための取組の一つであり、戦略的に外国企業を誘致するとともに、その定着を促進していきます。

 例えば、このような重点的取組があります

○ものづくり産業の集積を維持・発展させるための環境を整える
(操業環境整備、研究開発機能集積促進など)
○多様な主体の連携・ネットワークを強化し、東京の立地メリットを高める
(重層的ネットワーク構築の支援など)
○産業集積の発展に資する創業を促進する
(創業の促進、創業者の支援など)
○外国企業の誘致・定着を促進する
(外国企業の誘致・定着に向けた事業環境整備など)



戦略4 都民生活・地域社会のニーズに対応した事業を活性化する【地域産業】

 東京には、人口や企業の集積を基盤とする巨大なマーケットがあり、他の都市では成立し得ないニッチな産業やきめ細かい産業が成立すると考えられます。
 経済のグローバル化によって「外のニーズ」に視野を広げる必要がある一方で、足元に市場が広がる「内のニーズ」にもしっかりと目を向けるべきです。
 都内の様々な事業主体にとって、足元に広がる魅力的なマーケットや豊富な地域資源の存在は、大きなアドバンテージです。地域経済を活性化し、それを都内全体に波及させていくためには、以上のような視点を踏まえ、サービス産業、地域密着型ビジネスや社会的事業、農林水産業、地域資源を活かした観光などの振興に取り組んでいきます。

 例えば、このような重点的取組があります

○サービス産業の振興や社会的事業の育成を図る
(サービス産業の振興、地域密着型ビジネスの育成など)
○商店街の活性化を促進する
(意欲あふれる多様な取組の支援、商店街を支える新たな担い手の育成など)
○都民生活に密着した農林水産業を振興する
(収益性の高い農業経営、林業の再生、安定した漁業経営など)
○多様な資源を活かして地域の観光を振興する
(地域資源の新・再発見、多摩地域・島しょ地域の観光振興など)



戦略5 産業を牽引し、支える人材を確保・育成する【産業人材】

 産業の競争力を高める上で、最も重要な資源の一つが人材です。
 新製品・新技術の開発を支える基盤技術を担う人材や、観光まちづくりを担う地域の人材、農林水産業の新たな担い手など、東京の産業の基礎となる部分を支える人材を確保・育成します。
 また、東京に集積する教育機関との連携などにより、成長産業分野への参入や、グローバル化への対応を図る中小企業経営を支えるなど、次代の東京の産業を牽引する人材を確保・育成します。

 例えば、このような重点的取組があります

○産業を支える人材を確保・育成する
(ものづくり人材、観光・MICE人材、農林水産業を支える担い手など)
○新しい成長機会に対応した人材を育成する
(グローバル人材、重点産業分野を支える人材など)


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